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会議で集中できない?話が追えない時の5つの対処法|ADHD傾向な大人は必見

会議で集中できない?話が追えない時の5つの対処法|ADHD傾向な大人は必見

この記事のポイント

  • 会議で話が追えなくなるのは「集中力不足」ではなく、脳の同時処理の負荷が原因
  • 対策は「もっと集中する」ではなく「同時にやることを減らす」方向で考える
  • 会議の前・中・後で使える具体的な5つの対処法を紹介
  • 周囲にバレずにできる工夫に絞って解説
  • 「やらない方がいいこと」もセットで整理
もーやん

会議中に、急に話が追えなくなることがあるんだけど。聞いてるつもりなのに、気づいたら内容が飛んでる。

かりぶー

あー、自分もそれある。聞こえてるのに頭に入ってこないやつでしょ。あれ、集中力の問題じゃなくて、脳が同時に処理できる量の問題なんだよね。

もーやん

え、集中力じゃないの? ずっと自分の集中力がないんだと思ってた。

かりぶー

うん、「もっと集中しろ」は解決策にならない。むしろ逆で、同時にやることを減らす方向で考えた方がうまくいくことが多いよ。

この記事では、会議で話が追えなくなる背景と、明日から試せる5つの対処法を整理します。「集中力が足りない」と自分を責める前に、仕組みでカバーできる部分がないか確認してみてください。

目次

この記事が向いている人・向いていない人

この記事がどういう方に向いているかを先に整理しておきます。

向いている人
向いていない人
  • 会議で人の話が途中から入ってこなくなることがある
  • 「集中しろ」と言われても、集中の仕方がわからない
  • メモを取ろうとすると余計に聞けなくなる
  • 明日の会議で使える具体的な方法がほしい

向いていない人に該当する場合は、上記のリンク先の記事が参考になるかもしれません。

なぜ会議で話が追えなくなるのか ― ADHD傾向と「同時処理」の負荷

会議で話が追えなくなるのは、サボっているわけでも、やる気がないわけでもありません。脳が会議中にどれだけの処理を同時にやっているかを分解すると、理由が見えてきます。

会議中に脳がやっていること

会議中、脳は以下のようなことを同時にこなしています。

  • 聞く
    話者の声を聞き取る
  • 理解する
    内容を解釈して意味をつかむ
  • 保持する
    前の話と今の話をつなげて覚えておく
  • メモする
    手を動かして記録する
  • 発言を考える
    自分の番で何を言うか準備する

この5つを同時にやっているのが会議です。ワーキングメモリ(頭の中で情報を一時的に保持しながら操作する力)の容量には個人差があり、容量を超えるといくつかの処理が溢れます。

ADHD傾向の成人は、ワーキングメモリに負荷がかかった状態で「聞こえているのに頭に入らない」状態になりやすいという研究があります。特に不注意の傾向が強い場合に顕著ですが、多動・衝動性を併せ持つ混合型でも起きます。言葉の情報を頭の中に留めておくのが苦手なことが多く、「聞いて理解する」というタスク自体に、他の人より多くのエネルギーを使っています。

つまり、追えなくなるのは「集中していない」のではなく、「同時処理の上限に達した」ということです。

3人目の報告から入らなくなる ― エピソード

実際に自分が経験した場面を紹介します。

週次の進捗会議。最初の10分は大丈夫だった。でも3人目の報告あたりから急に頭に入らなくなった。口は動いてるし音は聞こえてるんだけど、意味が通らない。気づいたら自分の番が来ていて、前の人が何を言ったか聞かれた。答えられなかった。隣の人が「○○さんの件ですよ」ってフォローしてくれて、その場はしのいだ。

これは「飽きた」のではなく、頭の中の作業スペースを使い果たした状態です。最初のうちはまだ余裕があるけれど、情報が積み重なるにつれて処理が追いつかなくなります。

リモート会議でさらに悪化する理由

リモート会議ではこの問題がさらに顕著になります。

オフィスの会議はまだマシだった。リモートになってから明らかに悪化した。画面の向こうで複数人が話してると、誰が何を言ってるのか追えない。カメラオフの人が多いと、声だけでは話者の切り替わりがわからない。チャットに質問が流れてきても、話を聞きながらチャットを読むのは無理だった。

リモート会議では視覚的な手がかり(口の動き、ジェスチャー、誰が話そうとしているかの空気)が減り、聴覚処理への依存度が上がります。その分、ワーキングメモリへの負荷も増えます。

会議で集中できないときの5つの対処法 ― 同時にやることを減らす

ここからは具体的な対処法を5つ紹介します。方向性はすべて同じで、「もっと集中する」ではなく「同時にやることを減らす」です。

もーやん

でも「集中しろ」って言われてもさ、集中の仕方がわからないんだよ。

かりぶー

そう、「もっと集中する」は対策じゃない。やることは逆で、同時にやることを減らす。聞くことに全振りできる状態を作る方が現実的だと思う。

対処法1:会議の前にアジェンダを5分だけ読む

何の準備もなく会議に入ると、「今何の話をしてるんだろう」を理解するところからワーキングメモリを使います。

アジェンダを事前に5分だけ読んでおくと、「話の地図」が頭に入るので、会議中は「今どこの話か」の把握に使うエネルギーが減ります。その分、内容の理解に回せます。

アジェンダがない会議でも、前回の議事録を3分だけ見るだけで効果があります。

5分きっちり読み込む必要はありません。見出しだけ眺めて「今日は3つ議題があるんだな」くらい把握できれば十分です。

対処法2:メモは捨てて、聞くことに全振りする

「メモを取れば集中できるはず」と考えがちですが、実際にはメモを取ること自体がもう一つの負荷になることがあります。

自分が試したときの話を紹介します。

会議中にノートを開くようにした。でも書こうとすると話を聞けなくなるし、聞こうとすると手が止まる。結局メモには断片的な単語が並んでるだけで、後から見返しても何の話かわからなかった。

メモは手放して、録音と議事録AIに任せる方が現実的です。会議中は「聞くこと」だけに集中しましょう。

やり方の目安を整理しておきます。

  • 録音アプリ
    iPhoneの標準ボイスメモで十分です。Androidなら「簡単ボイスレコーダー」が定番です
  • 議事録AI
    CLOVA Note、tl;dv、Notta あたりが使いやすいです。リモート会議なら自動文字起こしもできます
  • 一言伝えるだけでOK
    「録音してもいいですか」と聞くだけです。大抵の会議で断られることはありません

完璧な議事録を自分で作ろうとするより、聞くことに全振りして、記録はツールに任せるのがポイントです。

対処法3:発言を求められそうなパートだけ集中モードにする

60分の会議を全部同じテンションで聞くのは、そもそも無理があります。これは発達特性に関係なく多くの人がそうです。

やり方はシンプルで、自分に直接関係するパートだけ「ここは集中する」と決めて、それ以外は「大枠を聞く」モードに切り替えます。アジェンダを見て「自分の番は3番目」とわかっていれば、2番目の途中から集中力を上げれば大丈夫です。

完璧には追えなくても、「何の話をしてるかわからない」は減ります。なお、ブレスト系の会議(自分も発言が多い)と報告会議(主に聞く側)では集中の配分が変わるので、会議の種類に合わせてモードを使い分けるのがコツです。

「全部ちゃんと聞かないと」と思う必要はありません。自分に関係するパートだけ集中できれば、会議での役割は十分果たせます。

対処法4:環境を調整する ― 物理的なノイズを減らす

周囲の雑音で話者の声が聞き取りにくい場合、問題はワーキングメモリだけでなく聴覚処理にもあります。環境面で調整できることがないか確認してみてください。

  • リモート会議
    ノイズキャンセリング付きイヤホンで環境音をカットし、人の声だけを通す
  • オープンオフィスの会議室
    骨伝導イヤホンで会議音声を直接耳に入れる方法もあります(リモート参加時)
  • 対面会議で雑音がひどい場合
    会議室の変更を提案しましょう。発達特性に限らず多くの人が助かる提案なので、切り出しやすいです

聴覚環境の改善については 大人の感覚過敏 ― オフィスで使える対策グッズ でも詳しく紹介しています。オフィス全体の環境改善を考えたい場合は も参考になります。

対処法5:「追えない」を上司に伝える(発達障害とは言わない)

ここまでの対処法は自分一人で完結するものですが、周囲に少しだけ開示するという選択肢もあります。

自分が実際にやったときの話を紹介します。

思い切って上司に「会議が長くなると話が追えなくなることがある」と言った。発達障害とかADHDとかは言わなかった。上司は「じゃあ議事録を議事録担当に任せて、あなたは聞くことに集中して」と言ってくれた。それだけで結構楽になった。

「会議で追えなくなる」は、発達特性がなくても起きることなので、伝えること自体に大きなリスクはありません。伝え方のポイントを整理しておきます。

  • 「発達障害」「ADHD」という言葉は使わない
    伝わり方が変わってしまうリスクがあります。特性の話ではなく困りごとの話として伝えましょう
  • 具体的なお願いをセットにする
    「長時間の会議で集中力が落ちることがあるので、録音 or 議事録担当をお願いしたい」くらいのトーンがおすすめです
  • 解決策を一緒に提案する
    「困ってます」だけだと相手も対応しづらいです。自分なりの対処案を持っていくと話が進みやすくなります

上司に伝えるのはハードルが高いかもしれません。まずは対処法1〜4を試してみて、それでも厳しいときの選択肢として覚えておく程度で大丈夫です。

もーやん

5つ全部やらなきゃダメ?

かりぶー

いや、全部やる必要はないよ。まずは1と2だけでも試してみて。アジェンダを5分読むのと、メモをやめて録音に切り替えるだけで、だいぶ変わると思う。

会議で話が追えないときにやらない方がいいこと

対処法と同じくらい大事なのが、「やらない方がいいこと」です。よかれと思ってやりがちなことを3つ整理しておきます。

「もっと集中しよう」と自分に言い聞かせる

ワーキングメモリの容量は気合で増えません。「集中しよう」と思うこと自体がワーキングメモリを使うので、逆効果になることすらあります。精神論ではなく、仕組みで対処するのが基本です。

メモを完璧に取ろうとする

対処法2で触れたとおり、メモを取ること自体が負荷になります。完璧な議事録を自分で作ろうとするほど、肝心の会議の内容が頭に入りません。記録はツールに任せる方が現実的です。

「聞けなかった」を隠し続ける

聞けなかった箇所を適当にやり過ごし続けると、後で大きなミスにつながります。「すみません、今の部分をもう一回お願いできますか」は、会議では普通のことです。聞き返すこと自体に後ろめたさを感じる必要はありません。

よくある質問

会議で話が追えないのはADHDの症状ですか?

必ずしもそうとは限りません。長時間の会議で集中が切れるのは多くの人に起きることです。ただし「毎回追えなくなる」「最初の10分すら厳しい」「自分だけ明らかに追えていない」という場合は、ワーキングメモリや聴覚処理の特性が関係している可能性があります。→ 「自分は発達障害かも」と思ったら最初にやること

録音は法的に問題ないですか?

日本では、会議の参加者が自分で録音すること自体は法的に問題ありません(会話の当事者による録音は合法とされています)。ただし社内規定で録音が禁止されている場合もあるので、事前に確認しておくと安心です。上司に一言伝えておくのがベターです。

1対1のミーティングでも追えなくなることがあります。

1対1だと聞く負荷は下がりますが、「発言を考えながら聞く」の同時処理はあります。対処法1(事前にアジェンダを確認)と対処法2(録音して後から振り返る)が特に有効です。

会議以外でも人の話が入ってこないことがあります。

「聞こえてるのに聞き取れない」が会議以外(日常会話、電話など)でも頻繁に起きる場合は、聴覚の情報処理に関する別の問題が関係している可能性もあります。まずは耳鼻科で聴力検査を受けてみて、そこから専門機関に相談するという選択肢があります。

まとめ

もーやん

「集中しろ」って言われるたびに自分を責めてたけど、同時にやることを減らすって発想はなかったわ。

かりぶー

「がんばって集中する」は対策じゃないんだよね。仕組みで解決する方がずっと楽。まずは録音ひとつから試してみたら。それだけで変わることもあるから。

もーやん

明日の会議、とりあえずアジェンダだけ先に見ておくわ。

かりぶー

それだけで十分。完璧にやろうとしなくていいよ。

参考文献

  1. Pelletier et al. (2021) “The Effects of Working Memory Load on Auditory Distraction in Adults With ADHD” — PMC
  2. ADDA “ADHD and Auditory Processing” — ADDA
  3. Rapport et al. (2008) “Working memory deficits in adults with ADHD” — PMC

本記事の情報は公開時点のものです。発達障害の診断基準や支援制度は変更される場合があります。
本記事は医療上のアドバイスを提供するものではありません。具体的な診断や治療については医療機関にご相談ください。

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この記事を書いた人

「なんかしんどい」の正体に、対処法をお示ししていくメディアです。

運営者はグレーゾーン当事者(通院歴あり・WAIS等で凸凹判定)。
大手企業で働きながら、自分自身の「得意と苦手の凸凹」と折り合いをつける方法を模索してきました。

このサイトでは、当事者としてのリアルな体験と、論文・臨床知見など学術的根拠に基づく構造的な整理を掛け合わせ、「高機能グレーゾーンの大人」が使える実用情報をまとめています。

記事の内容は臨床心理士・公認心理師の有資格者の確認を経て公開しています。しかし、私たちは医療の専門家ではありません。診断や治療の代替となるものではないことをご承知おきください。

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