この記事のポイント
- 光がまぶしい・蛍光灯がつらいのは「目が弱い」のではなく、感覚処理の閾値が低いことが原因の場合がある
- 眼科で「異常なし」と言われた人にこそ知ってほしい仕組みを解説
- オフィスの蛍光灯・PCモニター・外出先の3場面で使える対策を紹介
- 遮光グラス・モニター設定・デスクライトなど、明日から試せるグッズと工夫を整理
- 「やらない方がいいこと」もセットで解説
もーやんオフィスの蛍光灯がまぶしくてさ。眼科行ったら「異常ないです」って言われたんだけど。



あー、それ目の問題じゃなくて、感覚処理の問題かもしれない。光を感じるセンサーの感度が高いんだよね。



でもみんな同じ蛍光灯の下にいるのに、つらいの自分だけなんだよね。



感度は人によって違うから。で、我慢する以外にやれることは結構あるよ。
この記事では、光がまぶしい・蛍光灯がつらいと感じる背景と、場面別の具体的な対策を整理します。「気のせい」で片付けず、環境を自分でコントロールする方向で考えてみてください。
この記事が向いている人・向いていない人
この記事がどういう方に向いているかを先に整理しておきます。
向いていない人に該当する場合は、上記のリンク先の記事が参考になるかもしれません。
「眼科で異常なし」なのに光がつらい理由|感覚処理の閾値とは
光がまぶしい原因は「目の病気」ではなく、脳が光の刺激を処理する感度(感覚閾値)の違いである場合があります。
眼科で視力検査・眼圧・眼底検査を受けて「異常ないですよ」と言われるケースは珍しくありません。ドライアイでもない、片頭痛でもない。でもまぶしい。この場合、目の構造ではなく、脳の感覚処理の仕組みに原因があることがあります。
感覚閾値が低いと何が起きるか
人によって、光や音を「刺激」として感じ取るレベル(感覚閾値)には個人差があります。この閾値が低い人は、他の人が気にならない程度の光でも「まぶしい」「刺さるようだ」と感じます。
ASD傾向のある成人の感覚処理パターンを調べた研究では、視覚過敏は最も一般的な感覚の非定型性の一つとされています。また、ASD診断のない人でも感覚処理の偏りは存在し、閾値の個人差は大きいことがわかっています。
つまり、「光がまぶしい」は気のせいでも大げさでもなく、感覚の仕組みの個人差です。
蛍光灯が「チカチカする」のも気のせいじゃない
蛍光灯のまぶしさには、もう一つ別の要因があります。蛍光灯は電源の周波数に合わせて1秒間に50回(東日本)または60回(西日本)ちらついています。一般的にはこの速度のちらつきは知覚されません。
しかし、感覚閾値が低い人はこのフリッカー(ちらつき)を知覚できる場合があります。蛍光灯のちらつきを知覚する閾値が低い人がいることが研究で報告されています。「蛍光灯がチカチカする」「なんか落ち着かない」は、実際にちらつきを拾っている可能性があります。
午後になるとまぶしさが増す理由
朝は平気だったのに、午後になると蛍光灯がつらくなる。これにも理由があります。
感覚過反応は疲労と密接に関係しており、疲れると感覚閾値がさらに低下するという報告があります。つまり、仕事で脳が疲れてくると光や音への耐性が下がり、同じ蛍光灯でも午後の方がまぶしく感じるわけです。
エピソード:眼科で「異常ないですよ」と言われた日
実際に自分が経験した場面を紹介します。
オフィスの蛍光灯が気になって、眼科を予約した。まぶしくて夕方には目の奥が痛くなるんです、と伝えた。
視力検査、眼圧、眼底検査。ひと通り終わって「どこも異常ないですよ。ドライアイでもないですね」と言われた。
「でもまぶしいんです」と食い下がったら「気になるなら遮光レンズのメガネ作ってもいいかもしれませんね」と。それだけ。
会計待ちのとき、待合室の蛍光灯がまぶしくて目を細めてた。隣のおばあちゃんは雑誌を普通に読んでた。
光がまぶしいときの対策|場面別にできることを整理
光のまぶしさへの対策は「我慢する」ではなく「光環境を自分でコントロールする」が基本です。
場面によって使えるグッズや工夫が違うので、オフィスの蛍光灯・PCモニター・外出先の3つに分けて整理します。



具体的にどうすればいいの? サングラスかけて出社するわけにもいかないし。



サングラスじゃなくて遮光レンズのメガネがある。あとモニター設定と席の位置で結構変わるよ。
対策1:遮光グラスで蛍光灯のまぶしさを抑える
蛍光灯のまぶしさには、遮光レンズ付きのメガネが効果的です。普通のサングラスと違って、レンズに薄い色が入っている程度なので、オフィスでもかけられます。
選ぶときのポイントを整理しておきます。
- レンズの色は薄めを選ぶ
ブラウン系・イエロー系の薄い色が蛍光灯のまぶしさを抑えつつ、周囲に違和感を与えにくいです - 遮光率よりも見え方で選ぶ
店舗で試着して「蛍光灯の下で楽かどうか」を確認するのがベストです - 度付きレンズにもできる
普段メガネの人は、遮光レンズを度付きで作れます。1本で兼用できると切り替えの手間が減ります
職場でかけることに抵抗がある場合は「PCメガネとして使ってる」と伝えればほぼ気にされません。最初はレンズの色が気になるかもしれませんが、薄い色であれば周囲はほとんど気づかないです。
対策2:PCモニターの設定を変える
PCモニターの光で目が疲れる場合、モニターの設定を調整するだけでかなり楽になります。意外と多くの人が初期設定のまま使っています。
調整の目安を整理しておきます。
- 輝度を下げる
初期設定は明るすぎることが多いです。周囲の明るさに合わせて、白い画面が「光って見えない」レベルまで下げます - ブルーライトカットを有効にする
Windows「夜間モード」/ Mac「Night Shift」を常時オンにする。色温度を暖色寄りにするだけで刺激が減ります - ダークモードを使う
OS、ブラウザ、アプリをダークモードにすると、白い背景面積が減って楽になります
特に輝度の調整は効果が大きいです。「モニターの明るさを変えていいの?」と思うかもしれませんが、自分のPCのモニター設定は自分で調整して問題ありません。
ブルーライトカット機能が付いたPCメガネを併用すると、さらに効果があります。
対策3:デスクライトで手元だけ照らす
オフィスの天井の蛍光灯が全体的にまぶしい場合、蛍光灯を消すことはできなくても、手元のデスクライトを使うことで蛍光灯の影響を相対的に減らせます。
やり方はシンプルです。
- フリッカーフリーのデスクライトを選ぶ
LEDでもフリッカー(ちらつき)があるものとないものがあります。「フリッカーフリー」と明記されたものを選びましょう - 色温度を調整できるものがベスト
蛍光灯は色温度が高め(青白い)なので、デスクライトを暖色にすると目が楽です - 蛍光灯の直下を避ける席を選ぶ
席替えのタイミングがあれば、蛍光灯の真下ではなく壁際や窓際を希望すると光量が下がります
デスクライトは「目が疲れるので手元の照明を変えたい」と伝えれば、オフィスに持ち込んでも不自然ではありません。感覚過敏の話をする必要はないです。
対策4:外出先での光対策
オフィスだけでなく、外出先での光もつらい場合があります。場面ごとに使える対策を整理しておきます。
- 日差し対策
調光レンズ(紫外線で色が変わるレンズ)を使うと、屋外ではサングラスに、室内では通常のメガネになります。切り替えの手間がなくなります - コンビニ・ドラッグストア対策
帽子のつばで上からの蛍光灯を遮るだけで楽になります。遮光グラスをかけたまま入るのも有効です - スマホの画面
スマホの輝度を自動調整に任せず、手動で低めに固定する。移動中に画面を見るのがつらい場合はダークモードをベースにしておくと安定します
外出先では「完全に防ぐ」より「少し楽になる」くらいを目指す方が続きます。
エピソード:コンビニの照明で「うっ」となる
外出先での光のつらさについて、自分が経験した場面を紹介します。
帰り道にコンビニに寄ると、入った瞬間に「うっ」てなる。蛍光灯が白くて全部まぶしい。商品棚に反射して光ってる。
弁当を選ぶだけなのに目が疲れる。長居できない。さっと取ってさっと出る。
一回、同期と仕事終わりにコンビニに寄ったとき、自分だけ入り口付近でうろうろしてたら「何してんの、早く選べよ」って言われた。まぶしいからとは言えなかった。
夜のドラッグストアも同じ。薬を探すのに棚を見るのがしんどい。目を半分閉じながら歩いてる。
エピソード:同僚の「そんなに明るい?」
実際にオフィスで経験した場面を紹介します。
席替えで窓際になった。午前中は日差しが入ってきてモニターが見えにくい。ブラインドを下ろした。
隣の同僚に「暗くない?」って言われた。自分にはちょうどよかった。
別の日、蛍光灯が一本切れて少し暗くなった。自分はむしろ楽だった。総務に報告しようとしてた先輩に「あ、自分このままがいいんですけど」って言ったら「え、暗くない? そんなに明るい?」と不思議そうな顔をされた。
そのあと蛍光灯は交換された。
こういう場面で「自分だけ感じ方が違う」と気づく人は多いと思います。でもそれは目がおかしいのではなく、感覚の感度が違うだけです。



コンビニに入った瞬間のあの「うっ」てなるやつ、自分だけじゃなかったんだ。



うん、蛍光灯の白い光が全部反射して入ってくる感じでしょ。光のセンサーの感度が高い人はああいう空間つらいんだよね。遮光グラスかけて入るだけでもだいぶ違うと思う。
光がまぶしいときにやらない方がいいこと|逆効果になる3つの行動
対策と同じくらい大事なのが、逆効果になりやすい行動を避けることです。 よかれと思ってやりがちなことを3つ整理しておきます。
- 「慣れれば平気になる」と我慢し続ける
感覚閾値は気合で変わりません。むしろ我慢し続けると疲労が蓄積し、閾値がさらに下がって悪化する可能性があります。「慣れるまで我慢」ではなく「環境を調整する」が正しい方向です - 濃い色のサングラスで対処する
濃い色のサングラスは暗い場所で瞳孔が開いた状態を作るため、外したときに余計にまぶしく感じることがあります。室内では薄い色の遮光レンズの方が適しています。オフィスで濃いサングラスをかけると周囲の反応も気になるので、現実的ではありません - まぶしさを誰にも言わない
「こんなことで」と思って言えない人が多いですが、席の位置やブラインドの開閉は、伝えれば対応してもらえることが多いです。「光が苦手なので」ではなく「目が疲れやすいので」という伝え方であれば、特別なことではありません
よくある質問|光のまぶしさと感覚過敏
光がまぶしいことに関して読者からよく寄せられる質問をまとめました。
まとめ|光がまぶしい大人の感覚過敏は環境調整で楽になる
光がまぶしい・蛍光灯がつらい原因は目の病気ではなく、感覚処理の閾値の違いである場合があります。 遮光グラス・モニター設定・デスクライトなど、自分でコントロールできる対策から始めてみてください。



ずっと「自分の目が弱いんだ」って思ってたけど、感覚の感度の問題だったのか。



そう。目の検査で異常がないのに光がつらいのは、感覚処理の閾値が低いから。目のせいじゃないんだよね。



とりあえずモニターの輝度下げるのと、遮光グラスかな。



うん、まずはそこから。全部一気にやらなくていいよ。モニターの輝度と夜間モードだけで、夕方の目の痛さが変わる人は結構いる。
光以外にも音や触覚の感覚が気になる方は 大人の感覚過敏 ― オフィスで使える対策グッズ も参考にしてみてください。自分の感覚の傾向を整理したい方は 大人の発達障害セルフチェック【ライト版】 もあります。
参考文献
- Crane et al. (2009) “Sensory processing in adults with autism spectrum disorders” — PubMed
- Ludlow et al. (2006) “Sympathetic Nervous System Activity and Sensory Over-Responsivity in Autism” — PubMed
- Wilbarger & Cook (2011) “Multisensory Hypersensitivity and the Sensory Environment” — PubMed
本記事の情報は公開時点のものです。発達障害の診断基準や支援制度は変更される場合があります。
本記事は医療上のアドバイスを提供するものではありません。具体的な診断や治療については医療機関にご相談ください。



