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大人の感覚過敏対策|オフィスで使えるおすすめグッズ8選と選び方のコツ

この記事のポイント

  • 感覚過敏は「気にしすぎ」ではなく、脳の情報処理の特性による反応
  • 対策グッズは「聴覚」「視覚」「睡眠」の3カテゴリ8商品に分けて紹介
  • オフィスで浮かずに使えるかどうかが、大人の選び方で一番大事な基準
  • グッズで環境を調整するだけで、消耗を減らして仕事に集中できる時間が増える
  • 自分が一番しんどい感覚から1つだけ試すのが正解
もーやん

オフィスの音がしんどいんだけど、周りは普通にしてるんだよね。自分が神経質なだけかな。

かりぶー

それ、感覚過敏かもしれないね。「神経質」じゃなくて、脳の情報処理のしかたが違うだけだと思う。で、道具で調整できる部分がけっこうある。

もーやん

大げさなやつは嫌なんだけど。耳栓とかサングラスとか、オフィスでしてたら変な目で見られない?

かりぶー

大丈夫、オフィスで普通に使えるものだけ選んでるから。見た目で浮かないやつを紹介するね。

この記事では、大人がオフィスで目立たずに使える感覚過敏の対策グッズを、聴覚・視覚・睡眠の3カテゴリで紹介します。選び方の基準と、実際に使ってみた感想もあわせてまとめています。

目次

この記事が向いている人・向いていない人

この記事がどういう方に向いているかを先に整理しておきます。

向いている人
向いていない人
  • オフィスの音・光・においがしんどいが、自力でどうにかしたい
  • 「感覚過敏」という言葉に最近たどり着いた。自分がそうなのか確信がない
  • Amazonで検索しても子ども向けの商品ばかりで、大人向けの情報が見つからない
  • 具体的な商品名と「オフィスで浮かないか」の情報がほしい

向いていない人に該当する場合は、上記のリンク先の記事が参考になるかもしれません。

まず結論|タイプ別のおすすめグッズ

「どれを買えばいいの?」への回答を先に出しておきます。

自分が一番しんどい感覚のカテゴリから、1つだけ試すのがおすすめです。全部揃える必要はありません。

一番しんどい感覚おすすめグッズ予算目安
音(隣の人の声、キーボード音、空調音)Edifier NeoBuds Pro 2(コスパ重視)/ AirPods Pro 2(Apple派)/ SONY WF-1000XM5(最強ノイキャン)約8,000〜39,800円
光(蛍光灯、モニターのまぶしさ)JINS SCREEN(PCメガネ)+エレコム モニターフード約3,000〜5,500円
睡眠(寝つけない、寝具の肌触りが気になる)NELL マットレス / ブレインスリープ ピロー / GOKUMIN マットレス(入門用)約8,000〜75,000円

以下のセクションで、それぞれのグッズの詳しいレビューと選び方のコツを紹介します。

そもそも感覚過敏とは?|大人に多い3タイプ

感覚過敏とは、音・光・触覚などの刺激に対して脳が過剰に反応してしまう状態のことです。

「気にしすぎ」「繊細すぎ」と言われがちですが、これは性格の問題ではありません。ASD傾向のある人には感覚処理の非定型性が高頻度で報告されており(Marco et al., 2011)、子どもだけの問題ではなく成人期にも持続します。

また、診断の有無にかかわらず、感覚処理の困難さは不安レベルと相関するという報告もあります(Engel-Yeger & Dunn, 2011)。つまり、感覚がしんどいと感じていること自体が、日常のストレスに直結しているということです。

大人の感覚過敏は、大きく3つのタイプに分かれます。

聴覚過敏|音の情報が入りすぎる

オフィスで一番多いのがこのタイプです。以下のような場面で消耗しやすくなります。

  • 周囲の会話が全部聞こえてしまう
    フリーアドレスや大部屋のオフィスだと、自分に関係ない会話も全部耳に入る
  • キーボードの打鍵音がつらい
    特に静かなオフィスだと、カチャカチャという音が頭に響く
  • 午後になると頭痛がする
    音の蓄積で午後にはもう限界に近い状態になっている

「うるさいと感じるかどうか」ではなく、「午後になると頭が痛い」「退勤後にぐったりする」という形で現れることが多いです。

視覚過敏|光の刺激が多すぎる

蛍光灯やモニターの光がつらいタイプです。

  • 蛍光灯のチラつきが気になる
    古い蛍光灯のフリッカーが特につらい。目の奥が痛くなる
  • モニターを長時間見ていられない
    ブルーライトや輝度の高い画面で疲労が蓄積する
  • 窓からの日差しで集中が切れる
    直射日光が入るオフィスだと席の位置だけで消耗度が変わる

視覚過敏は聴覚過敏と比べて自覚しにくいのが特徴です。「目が疲れやすい体質」だと思って放置している人が多くいます。

触覚過敏|服の素材や肌触りが気になる

シャツのタグ、スーツの素材、椅子の座面の感触が気になるタイプです。実際に経験した場面を紹介します。

新しいシャツを買って出社したら、首の後ろがチクチクして仕事どころじゃなかった。昼休みにハサミ借りてタグを切った。それでも縫い目が当たる。

同期に「タグそんな気になる?」って言われて、「え、気にならないの?」って聞いたら不思議な顔された。

この記事では聴覚・視覚・睡眠に絞って対策グッズを紹介します。

もーやん

何買えばいいかわからないんだよね。Amazonで「感覚過敏」って検索すると子ども向けばっかり出てくるし。

かりぶー

大人のオフィスユースだと選ぶ基準が違うからね。「見た目」「音漏れしないか」「周りに説明しやすいか」の3つで選ぶといいよ。

選び方のコツ|オフィスで浮かないための3つの基準

対策グッズを選ぶときは、「機能」よりも「オフィスで浮かずに使えるか」を先に考えた方がうまくいきます。

どれだけ優秀なグッズでも、使っていて目立つもの、周囲に説明しづらいものは結局使わなくなります。大人のオフィス向けでは、以下の3つの基準が大事です。

  • 見た目が自然か
    普通のイヤホンやメガネに見えるもの。「感覚過敏用」とわかるものは避ける
  • 声をかけられたときに対応できるか
    完全に音を遮断するものはオフィスでは使いにくい。外音取り込み機能があると安心
  • 聞かれたときに説明しやすいか
    「集中したいので」「目が疲れやすいので」で通る範囲のものを選ぶ

この3つを満たしていれば、「大げさなものを使っている」という印象を与えずに済みます。

【聴覚】ノイズ対策のイヤホン・耳栓|音のしんどさを物理的に減らす

聴覚過敏の対策で最も効果が実感しやすいのが、ノイキャンイヤホンです。

自分自身が一番変化を感じたのもこのカテゴリです。「グッズ1つでこんなに違うのか」と思った体験を紹介します。

オフィスが移転してフリーアドレスになった。隣の人の電話の声、キーボードの音、給湯室のドアが閉まる音、全部聞こえる。午前中で頭がガンガンする。

同僚に「集中できなくない?」って聞いたら、「え、別に」と言われた。自分だけらしい。

試しにEdifierのノイキャンイヤホンを買った。初めてつけた日、午後3時くらいに「あれ、今日まだ頭痛くない」と気づいた。

コスパ重視ならEdifier NeoBuds Pro 2、Apple製品との連携を優先するならAirPods Pro 2、ノイキャン性能を最優先するならSONY WF-1000XM5がおすすめです。

Edifier NeoBuds Pro 2(約8,000円)

-50dBのアクティブノイズキャンセリングを搭載した完全ワイヤレスイヤホンです。オフィスの雑音(空調音、キーボード音、周囲の会話)を大幅にカットしてくれます。外音取り込みモードもあるので、会議や声をかけられたときはイヤホンを外さずそのまま対応できます。約8,000円という価格帯で-50dBのANCはコストパフォーマンスが高く、「まず1つ試してみたい」人に向いています。

Apple AirPods Pro 第2世代(約39,800円)

Apple製品との連携が最大の強みです。iPhone・Mac・iPadを使っている人なら、デバイス間の自動切り替えがスムーズで、設定の手間がほとんどありません。適応型ノイズキャンセリングが環境に合わせて自動で最適化されるので、オフィスの騒音レベルが変わっても調整不要です。価格は高いですが、「これ1つで全部解決したい」人には安心感があります。

SONY WF-1000XM5(約36,000円)

業界最高クラスのノイズキャンセリング性能を持つ完全ワイヤレスイヤホンです。音楽を聴かなくても「無音を作る」ためだけに使っている当事者が多いモデルです。聴覚過敏がかなり強い人や、フリーアドレスのオフィスで周囲の音が全方位から入ってくる環境にいる人に向いています。

耳栓という選択肢

イヤホンが使えない職場(接客業など)の場合は、シリコン製の耳栓も選択肢になります。ただし、完全に音を遮断するタイプはオフィスワークには向きません。「音量を下げるフィルタータイプ」の耳栓であれば、声は聞こえるけど環境音だけ減らすことができます。

「イヤホンしていいのかな」と不安な場合は、上司に「集中したいときにイヤホンを使っていいですか」と確認するのが安全です。「感覚過敏」という言葉は使わなくて大丈夫です。

オフィスの環境全体の対策を知りたい人は も参考にしてみてください。

【視覚】光・ディスプレイ対策|蛍光灯とモニターの刺激を減らす

視覚過敏の対策は、グッズの購入よりも先に「モニターの設定を変える」だけで改善することがあります。

まずお金をかけずにできることから試して、それでも足りなければグッズを導入するのがおすすめです。

まずやること|モニターの輝度とブルーライト設定

以下の設定を変えるだけで、目の疲れが軽減されることがあります。

  • モニターの輝度を下げる
    デフォルトは明るすぎることが多い。50〜70%くらいに下げてみる
  • ナイトモード(暖色系)をONにする
    Windows「夜間モード」、Mac「Night Shift」で青い光を減らせる
  • ダークモードに切り替える
    白背景が眩しい場合は、OSやブラウザをダークモードにするだけで楽になる

これだけでかなり変わる人もいます。コストゼロなのでまず試してみてください。

PCメガネで光の刺激を減らしつつ、モニターフードで視界の情報量を絞るのが効果的な組み合わせです。

実際に経験した場面を紹介します。

前の会社の蛍光灯が本当にだめだった。チカチカするやつ。15時くらいになると目の奥が痛くなって、30分おきにトイレに行って暗いところで目を閉じてた。

上司に「トイレ行きすぎじゃない?」と言われた。「お腹弱くて」とごまかした。

PCメガネを買ったら多少マシになった。でも「なんで急にメガネ?」って聞かれるのが面倒だった。

JINS SCREEN(約5,500円〜)

ブルーライトを25%カットするPCメガネです。度付きレンズにも対応しているので、普段メガネをかけている人もそのまま使えます。見た目が普通のメガネなのでオフィスで浮くことがなく、「目が疲れやすいので」の一言で説明が通ります。約5,500円からと手が出しやすい価格帯です。

エレコム モニターフード(約3,000円)

モニターの左右と上部を遮光するフードです。蛍光灯の反射や周囲の視覚情報を物理的にカットするので、視界に入る情報量が減り集中しやすくなります。約3,000円で導入できて即効性があるので、PCメガネと併用するのがおすすめです。

蛍光灯の光がつらい人向けの詳しい記事は 光がまぶしい・蛍光灯がつらいのは気のせい?|大人の感覚過敏の原因と対策グッズ で紹介しています。

【睡眠】感覚過敏と睡眠の関係|寝具選びで変わること

感覚過敏の影響はオフィスだけでなく、睡眠にまで及んでいることが少なくありません。

感覚過反応は不安や睡眠障害と密接に関連するという研究もあります(Mazurek et al., 2013)。「夜なかなか寝つけない」「ホテルで眠れない」の背景に、感覚過敏が関係していることがあります。

実際に経験した場面を紹介します。

出張のビジネスホテルで寝れたことがほとんどない。枕の硬さ、シーツの肌触り、エアコンの音。全部気になる。

一緒に出張した先輩は「ベッド入った瞬間寝た」って言ってた。自分は3時間くらいゴロゴロして、朝4時くらいにやっと寝て、6時のアラームで起きた。

ある時から自分の枕カバーだけ持っていくようにした。荷物は増えるけど、少し眠れるようになった。

睡眠で困っている場合、寝具を変えるだけで改善することがあります。感覚過敏の人が寝具を選ぶときのポイントを整理します。

  • 体圧分散が重要
    体の一部に圧がかかると触覚が反応して寝つけない。体圧を均等に分散するマットレスが有効
  • 素材の肌触りを確認する
    化繊の肌触りが苦手な場合、コットンやリネン素材の寝具が向いている
  • 通気性も意識する
    暑さ・蒸れの感覚に敏感な場合、通気性の高い素材を選ぶと寝苦しさが減る

寝具は試す前に判断するのが難しいカテゴリです。返品保証やお試し期間のある商品を選ぶのがおすすめです。

予算があるならNELLマットレス、枕の温度が気になるならブレインスリープ ピロー、まず安く試したいならGOKUMINマットレスがおすすめです。

NELL マットレス(シングル 75,000円)

体圧分散に特化したポケットコイルマットレスです。コイル数が一般的なマットレスの約2倍で、体の凹凸に合わせてフィットします。感覚過敏で寝具の硬さや圧のかかり方が気になる人に向いています。120日間の返品保証があるので、「合わなかったらどうしよう」の不安が少ないのがポイントです。

ブレインスリープ ピロー(33,000円)

通気性の高さが特徴の枕です。独自の三層構造で頭部の熱がこもりにくく、「枕が暑くて寝つけない」「頭の蒸れが気になる」という人に向いています。自分の頭の形に合わせて形状が変わるので、フィット感の違和感も起きにくい設計です。シャワーで丸洗いできるので、素材の清潔さが気になる人にも向いています。

GOKUMIN マットレス(約8,000円)

NELLの約1/10の価格で手に入る高反発マットレスです。「寝具を変えると本当に変わるのか、まず試してみたい」という人の入門用に向いています。三つ折りタイプで収納もしやすく、今の寝具の上に敷いて使うこともできます。約8,000円なので、合わなかったときの金銭的なダメージも小さいです。

マットレスと枕を両方いっぺんに変える必要はありません。まず「一番気になっているもの」を1つだけ試すのがおすすめです。

睡眠の問題を詳しく知りたい人は ADHDタイプの睡眠問題と改善方法|「早く寝ろ」では解決しない4つの対策 も参考にしてみてください。

よくある質問

感覚過敏とHSP(Highly Sensitive Person)は同じものですか?

厳密には違います。HSPは心理学者エレイン・アーロンが提唱した概念で、医学的な診断名ではありません。一方、感覚過敏は神経学的な感覚処理の特性を指します。ただし「刺激に敏感で消耗しやすい」という実感は共通しているので、呼び方にこだわるよりも「自分は何がしんどいか」を整理する方が対処につながりやすいです。

職場の上司に感覚過敏のことを伝えた方がいいですか?

必ずしも「感覚過敏」という言葉を使う必要はありません。「蛍光灯の光が眩しくて目が疲れるので、PCメガネを使わせてください」「集中したい時間帯にイヤホンをしてもいいですか」のように、困っている場面と対策をセットで伝える方が通りやすいです。

感覚過敏は治りますか?

感覚過敏自体を「治す」というより、環境を調整して刺激を減らすのが現実的なアプローチです。感覚の特性は脳の情報処理のしかたなので、なくなるものではありません。ただし、疲労やストレスが強いと感覚過敏が悪化することがあるので、体調管理で症状が軽減することはあります。

感覚過敏がひどいときは病院に行った方がいいですか?

日常生活に支障が出ている場合は、心療内科や発達障害の専門外来を受診するのも選択肢です。グッズによる環境調整だけでは限界がある場合もあります。自分の特性をもっと整理したい場合は 「自分は発達障害かも」と思ったら最初にやること も参考にしてみてください。

対策グッズを使っているのを同僚にどう説明すればいいですか?

「集中したいので」「目が疲れやすいので」で十分です。詳しく説明する必要はありません。最近はリモートワークの影響でイヤホンやPCメガネを使う人が増えているので、以前ほど目立たなくなっています。

まとめ

もーやん

こういうのって、自分で対策していいものなの?

かりぶー

そう思ってる人が多いんだよね。でも脳の情報処理の特性なんだから、道具で調整するのは全然おかしなことじゃないよ。目が悪い人がメガネをかけるのと同じ。

もーやん

まず一番しんどいやつから1つ試せばいいのか。

かりぶー

そう。全部揃える必要はないよ。音がしんどいならノイキャンイヤホン、光がしんどいならPCメガネとモニター設定。1つ試してみて、「あれ、今日ちょっと楽かも」って思えたらそれで十分。

もーやん

周りに説明するのがちょっと不安なんだけど。

かりぶー

「集中したいので」で大丈夫。深く聞いてくる人はほとんどいないと思うよ。それでも不安があれば、自分の特性を整理するところから始めてもいいかもしれないね。

光のまぶしさに特化した対策は 光がまぶしい・蛍光灯がつらいのは気のせい?|大人の感覚過敏の原因と対策グッズ で詳しくまとめています。

参考文献

  1. Marco, E. J., et al. (2011) “Sensory Processing in Autism: A Review of Neurophysiologic Findings” — PubMed
  2. Engel-Yeger, B. & Dunn, W. (2011) “The relationship between sensory processing difficulties and anxiety level of healthy adults” — PubMed
  3. Mazurek, M. O., et al. (2013) “Sensory Over-Responsivity and Anxiety in Adults with ASD” — PubMed

本記事の情報は公開時点のものです。発達障害の診断基準や支援制度は変更される場合があります。
本記事は医療上のアドバイスを提供するものではありません。具体的な診断や治療については医療機関にご相談ください。

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この記事を書いた人

「なんかしんどい」の正体に、対処法をお示ししていくメディアです。

運営者はグレーゾーン当事者(通院歴あり・WAIS等で凸凹判定)。
大手企業で働きながら、自分自身の「得意と苦手の凸凹」と折り合いをつける方法を模索してきました。

このサイトでは、当事者としてのリアルな体験と、論文・臨床知見など学術的根拠に基づく構造的な整理を掛け合わせ、「高機能グレーゾーンの大人」が使える実用情報をまとめています。

記事の内容は臨床心理士・公認心理師の有資格者の確認を経て公開しています。しかし、私たちは医療の専門家ではありません。診断や治療の代替となるものではないことをご承知おきください。

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