この記事のポイント
- 発達障害の診断がブレるのは、多くの場合「藪医者」のせいではなく、診断という営みが構造的に抱える不確実性から生じる
- セカンドオピニオンは「都合のいい診断を探す」ことではなく、「自分の特性を立体的に理解する」こと
- 取ることを検討していいケースと、いったん立ち止まっていいケースがある
- 診断ができるのは医師だけ。カウンセラー・心理士は検査や整理はできても診断はできない
- 診断名は自己理解の入口であって、ゴールではない
もーやん病院で「グレーゾーンですね」って言われたんだけど、別の病院では違うこと言われて。医者によって言うことが違うって、どういうこと?どっちかが藪医者ってこと?



それ、すごく不安になるよね。でも、どっちかが藪っていうより、発達障害の診断ってもともとブレやすい構造があるんだ。血液検査で白黒つくものじゃなくて、問診とか検査の「解釈」で決まる部分が大きいから。



じゃあ何を信じればいいの…



「一つの正解を探す」んじゃなくて、「複数の見立てを集めて、自分の輪郭を立体的に知る」って考え方に切り替えると、少し楽になるかも。それがセカンドオピニオンの本当の使い方だと思う。
この記事では、発達障害の診断が「医師によって違う」と感じたときに知っておきたいことを整理します。なぜ診断はブレるのか、セカンドオピニオンとは何か、取るべきケースと立ち止まっていいケースの切り分け、別の医療機関を受診するときの準備、そして「診断名が変わる・つかない」ことをどう受け止めるか。クリニックの集客でも、感情的な「藪医者」論でもない立場から、自分のケースを冷静に見るための材料を並べます。
この記事が向いている人・向いていない人
この記事がどういう方に向いているかを先に整理しておきます。
向いていない人に該当する場合でも、「なぜ発達障害の診断はブレるのか」だけ知りたいなら、読み進めて問題ありません。
なぜ発達障害の診断は「医師によって違う」のか
発達障害の診断には、血液検査やレントゲンのように数値で白黒つく検査が現時点では確立しておらず、問診・行動観察・生育歴・心理検査の「解釈」を総合して下されるため、医師ごとに結論が変わりうる構造があります。
「医者なんだから、ちゃんと検査すれば一つの答えが出るはず」と思うかもしれません。実際、骨折ならレントゲンで、糖尿病なら血液検査で、ある程度は客観的に判定できます。でも発達障害は、そうした生物学的な指標が現時点では確立されていません。発達障害の生物学的なマーカーを探す研究は進められていますが、診断室で「これがあれば発達障害」と言い切れる検査は、今のところ存在しないと整理されています。
では何で診断するかというと、本人や家族からの問診、診察室での様子の観察、子どもの頃からの育ちの経過(生育歴)、そしてWAISなどの心理検査の結果を「総合的に解釈」して判断します。ここがポイントで、同じ材料を見ても、どこを重く見るかは医師によって幅が出ます。
つまり「どちらかが嘘をついている」のでも「どちらかが無能」なのでもなく、解釈の幅があるところで結論が分かれている、という状態が起こりえます。これは発達障害の診断という営みが、その性質上抱えている限界に近いものです。
最初に、自分が「グレーゾーンですね」と言われて腑に落ちなかった日のことを紹介します。
初診で1時間くらい話して、最後に「うーん、グレーゾーンですね」と言われた。「白でも黒でもない、その中間です」と。
待合室を出て、駅まで歩いた。何も解決していない気がした。
困っているのは本当なのに、「中間です」と言われると、困っていることまで中途半端なものに格下げされた気がした。はっきり「これです」と言ってほしかったわけでもないけど、「中間」だけ渡されて放り出された感じがした。
その夜、検索した。「グレーゾーン 診断 納得いかない」。同じことを書いている人がたくさんいた。少し安心したけど、答えは見つからなかった。
このときの「何も解決していない」という感覚は、たぶん多くの人が通る場所です。次の章では、この「ブレ」がどこから来るのかを5つに分けて見ていきます。
診断がブレる5つの構造的な理由
発達障害の診断が医師ごとにブレるのは、「客観指標の不在」「グレーゾーンの線引き」「併存症の切り分け」「情報量の差」「受診時の状態」という5つの要因が重なって起きていると整理できます。
「藪医者だったのか、それとも自分の気のせいか」――その二択で考えると苦しくなります。でも実際には、その二択のどちらでもなく、診断という営みの構造そのものに、ブレを生む要因がいくつもあります。ここを知っておくと、「自分の医師が特別ダメだったとは限らない」という見方ができるようになります。
まず、5つの要因を一覧で示します。
| ブレる要因 | 何が起きているか | 読者へのメッセージ |
|---|---|---|
| ①客観指標の不在 | 数値で白黒つく検査がなく、問診・観察・検査の「解釈」の総合判断になる | 「どちらかが嘘をついている」のではなく、解釈に幅がある |
| ②グレーゾーンの線引き | 特性は連続体(スペクトラム)。どこから「診断」かは線の引き方による | 同じ人でも「診断レベル」と「グレー」の境界に乗りうる |
| ③併存症の切り分け | 不安・抑うつ・愛着の問題などが重なると、何が主因か見えにくい | 一つの診断名に収まらないのは珍しくない |
| ④情報量の差 | 生育歴・家族の同席・検査の有無で、医師が持てる材料が違う | 同じ医師でも材料が変われば結論が変わりうる |
| ⑤受診時の状態 | その日の調子・話せた内容で印象が変わる | 一度の診察が「確定」ではない |
一つずつ見ていきます。この5つは独立しているわけではなく、実際には絡み合って一つの「ブレ」を作っています。
①客観指標の不在|数値で白黒がつかない
発達障害には、現時点で確立された生物学的な検査(血液検査や画像検査で確定するもの)がありません。
そのため診断は、問診・行動観察・生育歴・心理検査の結果を医師が解釈して総合判断します。同じ検査結果でも、どの数値を重く見るか、どの行動を特性のあらわれと見るかは、解釈の幅があります。「検査の数字だけで診断が決まるわけではない」という点は、WAISなどの心理検査を考えるうえでも重要です。検査結果の読み方については 大人のWAIS-IV — 受ける前に知っておきたいこと で詳しく扱っています。
②グレーゾーンの線引き|どこから「診断」かは連続的
発達障害の特性は、「ある/なし」できれいに二分されるものではなく、濃淡のある連続体(スペクトラム)として理解されています。
連続体のどこに「診断がつく/つかない」の線を引くかは、絶対的な一点が決まっているわけではありません。だから同じ人が、ある医師には「診断レベル」と見られ、別の医師には「グレーゾーン」と見られる、ということが起こりえます。「グレーと言われたけど、別の病院なら診断がつくのでは」という疑問が生まれるのは、この線引きの性質そのものに理由があります。
③併存症の切り分け|何が主因か見えにくい
発達障害は、不安症・抑うつ・双極性障害といった他の心の不調と重なって現れることが少なくないと報告されています。
たとえば不安が強く前面に出ているとき、その不安が発達特性から来ているのか、別の要因なのか、あるいは両方なのかを、一回の診察で切り分けるのは簡単ではありません。また、かつてはASD(自閉スペクトラム症)とADHDを併記して診断することができませんでしたが、現在の診断基準では両方を併記できるようになっています。それでも、複数の特性や不調が重なっているとき、「何を主とみなすか」で医師の見立てが分かれることはありえます。一つの診断名にきれいに収まらないのは、むしろよくあることです。
④情報量の差|医師が持てる材料が違う
同じ人を診ても、医師が手にできる情報の量は受診のたびに変わります。
子どもの頃の様子を伝えられたか、母子手帳や通知表を持参したか、家族が同席したか、心理検査を受けたか。成人の発達障害では、子どもの頃からの育ちの経過(生育歴)の聞き取りが診断の重要な要素になるとされています。同じ医師であっても、渡された材料が違えば、見える絵は変わります。
⑤受診時の状態|一度の診察は「確定」ではない
その日の体調や、診察室でどこまで話せたかによっても、医師が受け取る印象は変わります。
緊張してうまく話せなかった日と、落ち着いて具体例を出せた日とでは、伝わる情報が違います。一度の診察は、その時点での一つの見立てであって、未来永劫変わらない「確定」ではない、と考えておくと、結果に振り回されにくくなります。
ここで、自分自身が「材料が違えば結論も違う」と気づいた場面を紹介します。
あとで気づいたことがある。
1軒目では、自分は緊張していて、困りごとをうまく話せなかった。仕事のことばかり話して、子どもの頃の話はほとんどしなかった。
2軒目では、母子手帳を持っていって、小学校の通知表のコメントも見せた。検査も受けた。
同じ自分なのに、渡した情報が全然違った。そりゃ見え方も変わるよな、と思った。
どっちかが嘘をついていたわけじゃなくて、見ていた材料が違っただけだった。それに気づくまで、ずっと「どっちかが間違ってる」と思い込んでいた。
このエピソードは「私の場合」の話ですが、専門的に見ても、生育歴の有無や検査の有無が結論を左右しうるのは、上の④で触れた構造そのものです。体験と構造が、ここで重なります。
この5つを知ると、「自分の医師が特別ダメだったわけではないかもしれない」という視点が持てます。もちろん、説明が不十分だったり質問しづらかったりした場合は、別の医師に相談する理由になります。それは次の章以降で扱います。
「セカンドオピニオン」と「ドクターショッピング」は何が違うのか
セカンドオピニオンは「複数の見立てを得て自分の特性を立体的に理解する」営みで、ドクターショッピングは「自分が望む診断名が出るまで病院を渡り歩く」行為です。両者を分けるのは「何のために行くか」です。
「納得いくまで病院を回るのは、わがままなんじゃないか」「自分に都合のいい診断が欲しいだけでは」――そう感じて後ろめたくなる人は少なくありません。でも、2軒目に行くこと自体が悪いわけではありません。問題は、何を目的に行くかです。
両者の違いを整理します。
| 観点 | セカンドオピニオン | ドクターショッピング |
|---|---|---|
| 目的 | 自分の特性を立体的に理解する/方針を比較検討する | 自分が望む診断名・結論を得る |
| 姿勢 | 複数の見立てを統合する | 気に入らない結果は捨て、次を探す |
| 終わり方 | 一定の理解に達したら止まる | 望む結論が出るまで終わらない |
| 前の医師への態度 | 前の見立ても材料として尊重する | 前の医師を否定し情報を渡さない |
| リスク | 少ない(自己理解が深まる) | 心身・時間・費用の消耗、治療の一貫性の喪失 |
表で並べると違いははっきりしますが、現実には両者の境目は地続きです。最初はセカンドオピニオンのつもりでも、いつのまにか「望む答えをくれる先生」を探していた、ということは起こります。だからこそ、ときどき「自分は今、何のために動いているんだろう」と立ち止まって確認することに意味があります。



でも、納得いくまで病院を回るのって、わがままなのかな…自分に都合のいい診断が欲しいだけなのかもって、ちょっと後ろめたい。



その線引きは大事だね。ポイントは「何のために行くか」。自分の特性をちゃんと理解したくて行くならセカンドオピニオン。望む診断名が出るまで探し続けるなら、それは消耗するだけかもしれない。後ろめたいと感じてる時点で、もーやんは前者寄りだと思うよ。
自分自身、一時期「もっとはっきりした答え」を探していました。そこから抜けたときのことを紹介します。
一時期、3軒目を予約しようとしていた。「もっとはっきりした答えをくれる先生がいるはず」と思って。
予約ボタンを押す前に、ふと手が止まった。自分は何が欲しいんだろう、と考えた。
はっきりした診断名が欲しいのか。それとも、いま困っていることを楽にしたいのか。後者だった。
診断名が一つに決まっても、明日の会議で話が追えないことは変わらない。そう思ったら、3軒目はやめた。
代わりに、いま通っている先生に「具体的にこの場面で困っているんですが」と相談してみることにした。それまで自分は「診断してくれる人」を探していて、「一緒に困りごとを考えてくれる人」を探していなかった。
「2軒目に行くこと自体は悪くない。問題は何のために行くか」。これがこの章でいちばん伝えたいことです。望む結論を求めて延々と回り続けると、心も時間もお金も消耗します。そうなりそうなときは、一度立ち止まる選択肢もあります。
セカンドオピニオンを取るべきケース・立ち止まっていいケース
セカンドオピニオンを取ることを検討していいケースと、いったん立ち止まって今の状況を整理した方がいいケースがあります。どちらも対等な選択肢で、「転院した方がいい」と一律に煽るものではありません。
「結果に納得できない=すぐ病院を変えるべき」とは限りません。逆に「変えない方がいい」とも限りません。自分がどちらに近いかを見るための、判断材料を並べます。
まず、セカンドオピニオンを取ることを検討していいケースです。
- 医師から十分な説明がなく、質問もしづらかった
なぜその診断・方針になったのかが分からないまま終わった - 検査を受けずに短時間の問診だけで診断が下された
WAISなどの心理検査を一切受けていないと感じる - 提案された治療に強い不安があり、別の選択肢を知りたい
投薬など、提示された方針に納得しきれていない - 生育歴や具体的な困りごとを十分に伝えられなかった
緊張や時間切れで、大事なことを話せないまま結論が出た - 二次的なうつ・不安が重く、今の治療で改善していない
生活に支障が続いている場合は、別の見立てを得る意味がある
特に最後の「うつ・不安が重く改善していない」場合は、診断名の議論より先に、今のつらさへの適切なケアが優先されます。我慢して受診を先延ばしにするより、率直に主治医に相談するか、別の医療機関を検討する方がよいことがあります。
次に、いったん立ち止まって整理した方がいいケースです。
- 「期待した診断名と違った」ことだけが引っかかっている
まず「自分は何を期待していたのか」を整理してみる - 同じ材料なら、別の医師でもおそらく同じ結論になりそう
新しい情報がないなら、結果が変わる見込みは小さい - 診断名より、いま困っている生活上の問題への対処が先
名前が決まらなくても、対処は始められる - すでに数軒回っていて、回ること自体が目的化している
消耗のサインかもしれない。一度ペースを落とす
「立ち止まる」のは、あきらめることでも、我慢することでもありません。次に動くための準備期間として、いったん落ち着く、という選択です。そもそも診断を受けるかどうかから迷っている場合は、グレーゾーンから診断受診へ|判断基準と選択肢 も合わせて読むと整理しやすいかもしれません。
セカンドオピニオンの受け方・準備するもの
別の医療機関でセカンドオピニオンを受けるときは、現在の診断内容のメモ・心理検査の結果報告書・困りごとの記録などを用意しておくと、限られた診察時間を有効に使えます。費用や紹介状の要否は医療機関によって異なります。
セカンドオピニオンは、ただもう一軒予約すればいい、というものではありません。前の見立ても材料として持っていく、という姿勢が大事ですし、準備の有無で診察の中身が大きく変わります。先ほどのエピソードで「渡した材料が違うと結論も変わった」と書いたとおり、何を持っていくかは結果を左右しうる要素です。
用意しておくとよいものを整理します。
- 現在の診断内容と、医師の説明のメモ
「何と言われたか」をできるだけ正確に書き残しておく - 受けた心理検査の結果報告書のコピー
WAISなどを受けていれば、可能な範囲で持参する - 紹介状の要否を事前に確認
一般的には紹介状があるとスムーズだが、運用は医療機関による - 困りごとを「場面・頻度・具体例」で書き出す
「いつ・どこで・どう困るか」を具体的にしておく - 幼少期のエピソード(あれば母子手帳・通知表)
生育歴の手がかりになる資料があると伝わりやすい
費用について補足します。セカンドオピニオンは、医療機関によっては通常の保険診療とは別枠(自費)で扱われることがあります。料金も紹介状の要否も、医療機関ごとに運用が異なるため、予約の前に「セカンドオピニオンを希望していること」「費用と紹介状の扱い」を問い合わせておくと安心です。ここで挙げた内容は公開時点の一般的な傾向で、最新の正確な情報は各医療機関にご確認ください。
逆に、やらない方がいいこともあります。
- いきなり複数の病院を同時に予約する
消耗しやすく、情報も散らかる。一つずつで十分 - 前の医師の見立てを隠す
前の情報も大事な材料。隠すと医師が判断しづらくなる
前の見立てを「否定すべき間違い」としてではなく「一つの材料」として持っていく。この姿勢が、ドクターショッピングとセカンドオピニオンを分ける実務上のポイントでもあります。
診断名が変わる・つかないことをどう受け止めるか
診断名は、連続体の上で「どこに線を引いたか」を示すラベルであって、自分という人間そのものが変わるわけではありません。見立てが割れたなら、その両方を自己理解の材料にする、という受け止め方ができます。
見立てが割れると、「どっちが本当の自分なんだ」と混乱します。診断名が一つに決まらないことを、自分の輪郭がぼやけることのように感じてしまう。けれど、診断名は自分を説明する手がかりの一つであって、自分の全部ではありません。
2軒目で違うことを言われて混乱した日のことを紹介します。
別のクリニックを予約した。今度はちゃんと検査もして、と思って。
そこの先生は、1軒目とは少し違う見方をした。「不注意の傾向はありそうだけど、それより不安の方が前に出ていますね」と。
帰り道、混乱した。1軒目は「グレー」、2軒目は「不安が主」。どっちが本当なんだ、と思った。
どっちかが間違ってるなら、医者って何なんだ、とも思った。その日は誰にも会いたくなくて、まっすぐ帰った。
このときは「どちらかが正解で、どちらかが間違い」だと思っていました。でも前の章で書いたとおり、見ていた材料が違えば見え方が変わる。だとしたら、「グレー寄りの面もあるし、不安が前に出る面もある」と、両方を自分の説明として受け取ることもできます。一つに絞らなくていい、というのは、いいかげんにするという意味ではなく、立体的に見る、ということです。
専門的にも、診断名がつくこと自体に心理的な効果があると報告されることがあります。たとえば、大人になってから診断を受けて「これまでの生きづらさに説明がついた」と感じ、自己理解や自己受容が進む人がいる、という報告があります。一方で、診断名にとらわれて「自分は何もできない」と感じてしまう人もいます。つまり「診断を受ければ楽になる」と言い切れるものではなく、人によって受け止め方は異なります。「グレーゾーン」という結果そのものの受け止め方については、グレーゾーンと言われたあなたへ でも掘り下げています。
カウンセラー・心理士にできること、できないこと
ここで、相談先の役割を整理しておきます。混乱しているとき、誰に何を頼めるのかを知っておくと、相談先を間違えずにすみます。
まず大前提として、発達障害の診断ができるのは医師だけです。カウンセラーや心理士は、心理検査の実施や支援はできても、診断名を確定させることはできません。これは役割の線引きであって、「だからカウンセラーは無意味」ということではありません。役割が違う、ということです。
実際、自分もここで一度空振りしました。
病院の予約が取りにくくて、先にオンラインのカウンセリングを受けたことがあった。
話を聞いてもらえたのは良かった。でも最後に「結局、私はADHDなんでしょうか」と聞いたら、「診断は医療機関でないとできないんです」と丁寧に言われた。
そうか、と思った。カウンセラーは診断する人じゃないんだ、と初めてちゃんと理解した。
整理を手伝ってくれる人と、診断を下せる人は、別だった。それまで一緒くたにしていた。
ただ、カウンセラーにできることもあります。複数の見立てを一人で抱えて混乱しているとき、「自分が何に困っているのか」「次の受診で何を医師に聞きたいのか」を一緒に整理する、という使い方です。診断を得るためではなく、診断をめぐる混乱を整理するために使う、と考えると位置づけがはっきりします。
見立てが割れて頭がいっぱいになってしまったとき、第三者と一度言葉にして整理してみたい場合は、こうした手段もあります。
公認心理師に話せる、初月割引あり
もちろん、まずは主治医に率直に聞くのがいちばんです。それが難しいとき、あるいは受診までの間に頭を整理しておきたいときの選択肢として考えてください。カウンセリングという選択肢自体をもう少し詳しく知りたい人は、発達障害グレーゾーンの大人がカウンセリングを使う前に知っておきたいこと|診断なし・保険なし・精神科との違い も参考になります。
次の受診に向けて、今できること
急いで診断名を一つに決めなくても大丈夫です。まずは困りごとを具体的に言葉にしておき、主治医に率直に質問してみることが、次の一歩になります。
ここまで読んで、「結局どうすればいいの」と思うかもしれません。やることはシンプルで、次の受診の質を上げるための準備と、主治医への率直な質問です。
次の診察に向けて、困りごとを「場面・頻度・具体例」で書き出しておくと、限られた時間で伝えたいことが伝わりやすくなります。「会議で話が追えない」なら、いつ・どんな会議で・どう困るのかまで具体化しておく。これは診察のためだけでなく、自分の特性を自分で把握するのにも役立ちます。
そして、いちばん最初に試したいのは、今の主治医に率直に聞いてみることです。「前回グレーゾーンと言われたのですが、具体的にこういう場面で困っています。どう考えればいいでしょうか」と。それで十分な対話ができるなら、わざわざ病院を変える必要はないかもしれません。
それが難しいとき――聞きづらい、時間が取れない、頭が混乱していて何を聞けばいいか分からない――に、次の受診で伝えたいことを言葉にしておく手段として、第三者に整理を手伝ってもらう方法もあります。
公認心理師に話せる、初月割引あり
繰り返しになりますが、強い不調が続いているときは医療機関への相談が優先です。これはあくまで、その前後で気持ちや困りごとを整理するための補助的な手段です。
急いで答えを一つにしなくていい。見立てが割れたなら、その両方を材料にすればいい。そう考えると、少し肩の力が抜けるかもしれません。
よくある質問
発達障害の診断やセカンドオピニオンについて、気になりやすい疑問をまとめました。
まとめ



なんか、診断名を一個に決めなきゃって思い込んでたかも。



診断名は自己理解の入口であって、ゴールじゃないからね。「で、明日からどう楽に過ごすか」の方が大事。見立てが割れたなら、その両方を材料にすればいいよ。



ブレるのは藪医者のせいじゃなくて、構造の問題かもしれないって思うと、ちょっと気が楽になった。



そうだね。そのうえで、説明が足りないとか質問しづらいとかなら、別の見立てを取る理由になる。逆に「期待と違っただけ」なら、一度立ち止まって何を期待してたか整理してみるのもあり。急いで答えを一つにしなくていいよ。



まずは主治医に、具体的な困りごとを聞いてみるところからやってみる。



うん、それがいちばんいい第一歩だと思う。それが難しければ、困りごとを書き出して整理するところからでも。焦らず、自分のペースでいこう。
最後に、次のアクションを整理しておきます。
- 検査結果の読み方を知りたい方:大人のWAIS-IV — 受ける前に知っておきたいこと
- そもそも診断を受けるか迷っている方:グレーゾーンから診断受診へ|判断基準と選択肢
- 「グレーゾーン」の受け止め方を知りたい方:グレーゾーンと言われたあなたへ
- まだ受診前で「かもしれない」段階の方:「自分は発達障害かも」と思ったら最初にやること
- カウンセリングという選択肢を詳しく知りたい方:発達障害グレーゾーンの大人がカウンセリングを使う前に知っておきたいこと|診断なし・保険なし・精神科との違い
本記事の情報は公開時点のものです。発達障害の診断基準や医療体制は変更される場合があります。
本記事は医療上のアドバイスを提供するものではありません。具体的な診断や治療については医療機関にご相談ください。
本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。編集部にて商品・サービスの内容を確認・体験したもののみをPRしています。









